最後の短篇企鵝の剥製

読んだ短篇についての雑な覚書を書くペンギンは絶滅しました。本博物館では、在りし日のタンペンペンギンの姿を剥製によって留めています。

7500 words-

Kevin wilson, "Kennedy"(2019)

(もちろんペンギンたちもビデオゲームがだいすき!) 【概要】 ・8500ワードほど。 ・初出は Subtropic subtropics.english.ufl.edu・Mariner Books の2020年度の年刊短篇傑作選に選ばれている。ちなみに翌年も同社の傑作選に"Biology"で掲載。 ・語り手が…

Richard Powers, “Dark was the Night”(2011)

宇宙ペンギン 概要 ・8000ワードほど。 ・初出は Playboy ・2010年、かつてジェット推進研究所でボイジャーに搭載するカメラの開発に関わっていた元エンジニアの老人ブルーノ・クラニックが認知症向けの記憶増強剤の治験に参加し、その薬の影響(?)で忘れ…

Ian McEwan, "A Duet" from "Lessons: A Novel"(2022)

・8780ワードほど。短編じゃねえ。それもそのはずで9月に出版される『Lessons』という長編の一パート(冒頭部)らしい。非常にまとまりがよいので短篇としても十二分に読める。だから中篇だっていってるじゃん。 ・初出は The New Yorker。 www.newyorker.co…

Joseph Conrad, "The Duel"(1908)

あらすじ ・約三万ワード。もはや短編じゃねえ。 ・正確なあらすじや作品背景については、わたしのものについてはたぶんちょくちょく間違っているので、詳しくは英文学研究者の秋葉敏夫の論文「名誉と決闘と人生と――コンラッドの『決闘』について」を読んだ…